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「学力問題・ゆとり教育」山内乾史・原清治 日本図書センター 2006年 ② [読書記録 教育]

「わたしたちが最も懸念しているのは,学力が低下している,だからもっと勉強させるべ
 きだという短絡的な思考に親や教師,あるいは行政担当者が陥ってしまうことである。」

「そもそも学力低下という結果が新教育運動のせいなのか貧しい経済生活のせいなのか,
 測っている学力そのものが時代遅れなのか,その結果自体は何が原因なのかは説明して
 いない」


イメージだけというのですね


今回は 2月16日に続き 山内乾史さん 原清治さんによる
「学力問題・ゆとり教育(リーディングス 日本の教育と社会―第1巻 )」2回目の紹介です



出版社の案内には

「『学力問題・ゆとり教育』に関する膨大な議論を、研究者のみならずジャーナリズムに
 おける言説も交えて収録。『学力論争とは何か』『ゆとり教育とは何か』を多様なレベル
 から検証し、その議論の展開と教育改革の行方を示す!」

とあります


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…


・「『学力低下』の明確な証拠はない」

・「総合バッシングが起こっている」

・「政治に左右される教育問題」

・「目指すべきはバランスのとれた教育課程」

・「『契機は大学生の低学力問題』 ~『主な欠陥は小数科目に限定された大学入試にある』」
- そんなに低いと思うような学生なら そもそも入試で合格させなければよいのに…





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☆「学力問題・ゆとり教育」山内乾史・原清治 日本図書センター 2006年 ②

1.JPG

第Ⅰ部-2

◇「学力低下論」への反論  浅沼茂・奈須正裕・市川伸一
  
1 学力は本当に下がったのか<浅沼茂>

(1) 「学力低下論」はなぜ盛んなのか

高等教育の問題の本質は大学のカリキュラムにある
    


(2) 「学力低下」の明確な証拠はない 

 1980年代当時からIEAで高かったとは言えない


 事実よりスローガンが先行
 
   そもそも学力低下という結果が新教育運動のせいなのか貧しい経済生活のせいなの
  か,測っている学力そのものが時代遅れなのか,その結果自体は何が原因なのかは説
  明していない



   現代の日本の教育論争に欠けているのはカリキュラムや教育方法をどのように変え
  たらよいのかという議論



(3) 総合バッシングが起こっている



(4) 政治に左右される教育問題





2 目指すべきはバランスのとれた教育課程 <奈須正裕>

(1) 学力論の拡張と基礎基本

限定された基礎基本の徹底は本当に子どもたちを知性的にするのか



(2) 読み書き算だけでよいのか 

バランスが大切



(3) 意欲や態度の育成に学習は不要か

メタ認知の問題



(4) トータルバランスの配慮を





3 学力低下への対応と教育改革

(1) 学力低下をどうとらえるか

学力 学んだ結果としての学力 
   ① 知識・理解(ペーパーテスト可)

② 文章読解力,論述力,討論力,批判的思考力問題追究力(ペーパーテスト不可)
                 
   ③ 学ぶ力としての学力(広義の学力)



(2) 大学でできる対応策

大学の授業や教育サービスの改善  



(3) 初等中等教育における「教育改革」

ゆとりをどう使うか



(4) 終わりに:社会文化環境の再構築








◇学力低下批判のポリティックス分析  長尾 彰夫
  
1 火を付け,煽り,広めたのは誰か 

契機は大学生の低学力問題

~ 「主な欠陥は小数科目に限定された大学入試にある」
  




2 ポリティカル・イシュー(政治的課題)としての学力低下批判 

  岩川直樹・汐見稔幸

「わたしたちが最も懸念しているのは,学力が低下している,だからもっと勉強させ
   るべきだという短絡的な思考に親や教師,あるいは行政担当者が陥ってしまうこと
   である。」





3 苅谷剛彦氏に見る学力低下批判としての教育政策批判

  苅谷氏主張 
   ①「ゆとり教育」なるものが是認され必要とされてくるその背景となる教育認識そ
    のものの幻想性

②「ゆとり教育」の立つ前提には「子ども中心主義」の教育があるが,それに幻惑
    されてはならない。


    学力低下が果たして誰のどのような利害に関わっての学力の低下であるのかと
    いうポリテイックス分析そのものの必要性と重要性





4 不平等の拡大と学力低下

  社会的不平等が拡大していくのではないか

藤田英典-「公立学校の危機」
  




5 学力低下批判のポリティックスの構図


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コメント 4

たぬき3

いつも貴重な情報をありがとうございます。「ゆとり」はそもそも定義が難しい言葉だと思いました。場所の余裕、時間の余裕、金銭の余裕、気持ちの余裕等が十把一絡げに語られておかしくなった気がします。そしてまた同じようなことが起きようとしています。今回は、「アクティブラーニング」「主体的・対話的で深い学び」です。ご紹介いただいた本を読み直してみたいと思います。感謝。
by たぬき3 (2017-02-19 06:01) 

ハマコウ

たぬき3さん ありがとうございます
言葉に振り回されることは避けなくてはといつも感じます
次の学習指導要領が示される頃 あれは何だったのだろうと思うことがしばしばあるので
by ハマコウ (2017-02-19 09:24) 

staka

いろいろな書籍のご案内、ありがとうございます。
「日本子育て物語」も、勤務先の図書館から借りて読みました。
学習指導要領案も提示されましたが、生徒にとっても、教師にとっても、負担が大きいような・・・
by staka (2017-02-19 18:11) 

ハマコウ

stakaさん ありがとうございます
「日本子育て物語」は題名が頭の中に残っている内容が詰まった本だと思います
新学習指導要領の示す方向や価値は分かるのですが どうやってその時間を生み出すのかも示してほしいと 改訂のたびに思います
結局曖昧な結果に陥り 効果がないからまた「改訂」…

by ハマコウ (2017-02-19 18:22) 

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