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「その未来はどうなの?」橋本治 集英社新書 2012年 [読書記録 一般]

「『挫折あり』を前提とするのが文学で、『挫折なし』を当然とするのが講談であり、そ
 こから生まれる大衆小説」




今回は、橋本治さんの、
「その未来はどうなの?」を紹介します




出版社の案内には、


「『理論』で世界が語れた20世紀はもはや遠く、今や世の中は分からないことだらけであ
 る。しかも『分からない』の仕組だけがいっそう複雑化し、もはや何が分からないか分
 からないという事態なのだ。この分からなさ、視界不良はどこから来るのだろう?テレ
 ビ、出版、シャッター商店街、結婚、歴史、民主主義…等、『分からない』が山積する
 諸問題に『100%分からないわけではない“余り”みたいなもの』を糸口にして挑む、
 危険で過激な知の冒険。」

とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「CM-「あまり集中して番組を見るな」ということ」


・「大衆小説出身の吉川英治は根本のところで前向き
  = 宮本武蔵は挫折しない」


・「『生きる指針』があるんだかないんだか分からない時代
 『それだけの数が売れているにもかかわらず誰もが知っているヒット作ではない』」


・「インターネットは双方向 ~ 中心がない」


・「女は変わることができても男は譲歩しかできない」




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☆「その未来はどうなの?」橋本治 集英社新書 2012年

1.JPG

◇まえがき

「なにがどうわからないんだろう?なんでこういう視界不良状態になっちゃったんだろ
 う?」ということを考える本
   

□自問  
 「その未来はどうなの?」
   

□ゴール
 「そうかそのように分からなかったのか」  







◇テレビの未来はどうなの?

□地デジの後はどうなるの?
 

□テレビって何だろう

 「向こうからやってくるもの」 新聞・ラジオ
 

□向こうからやってくるチャチで下らないもの 

 
□批評を無効にしてしまった

 
□普段着-講談本とマンガテレビ

 
□「いいかげんになりうるもの」がテレビで以前の「ちゃんとしていなければ迎えられな
 い」文化のあり方を揺さぶった

 CM-「あまり集中して番組を見るな」ということ
 


□テレビは誰にも変えられない

「やたらの数の批評的現時を弄する人間を生み出して、しかし言論そのものを活性化する
 ことはなかった。いい加減であっていいということを習慣的にマスターさせたが、いい
 加減であっていいといい加減でいいの間にある微妙な差は理解させなかった」








◇ドラマの未来はどうなの?
 
□指針のない世に人はドラマを「生きる指針」とする

 自由 = 指針のない状態
   
 明治・近代
  「指針なき時代」に指針となったドラマは講談 


 戦前の講談
  「どんな無茶なことでも何とかしようと思えば何とかなる」前向き
     
   講談 → 「なせばなるなさねばならぬ何事も」前向き体験を確立
 


□講談の中に挫折はない    

 文学 - 純文学  ただ文学


 大衆小説 
   ひたすら前向きな講談をルーツとする

大衆小説「講談雑誌」に最初「新講談」として登場



「講談師」以外の書き手による講談風の小説

  「読み物」
   

 ○講談は挫折を認めない - 勝ち負けがはっきり!
  
 ※「挫折あり」を前提とするのが文学で、「挫折なし」を当然とするのが講談であり、
  そこから生まれる大衆小説  
  
             |

          生まれが違う                 


 大衆小説 → エンターティメント小説

挫折が大衆小説の中に入り込むと「ニヒルな主人公」になる


□「人生の指針となるドラマ」があった時代

 大衆小説出身の吉川英治は根本のところで前向き
     
 = 宮本武蔵は挫折しない
   
      ↑↓

 ノーベル文学賞
  「前向き」「困難を乗り越える」とは無縁のところ!      



□小林秀雄は吉川英治に「文化勲章をもらうべきだ」と言った     
(読者・日本人のために)

 小林にとって吉川は「日本人の生きる指針となるドラマを書く作家」



□「生きる指針」があるんだかないんだか分からない時代
   
 「それだけの数が売れているにもかかわらず誰もが知っているヒット作ではない」
   

 「国民的」がなくなった ~ 万人受け        

 ※ 自由が定着し個々人の自由という指針なしの時代がやってくる
 


□再現ドラマはすべてOKなのか?

 ◎ドラマから人生の指針を得るなどというのはダサイことになってしまいました
 
 吸収率は悪いが…








◇出版の未来はどうなの?    

□「どうして本がインターネットの中に吸収されなきゃいけないの?」



□「えらい人」のいる業界
日本の出版界 ~ 「えらい人」が健在のまま



□「えらい人をおそれてはだめだ」
   
 「本を書くのはえらい人だ」という思いこみ     
 


□大衆化というパラドックス

 文庫本の性格が変化  
  評価定着 → 売れそうなものなら何でも!


 大衆化が進むと大衆がいなくなる ~ 成長が起こるから
 


□斜陽化した中央集権

 インターネットは双方向 ~ 中心がない







◇シャッター商店街と結婚の未来はどうなの?

□「商店街」を考える

 - 「人的接触が少なくても煩わしくないからいい」

 

□都市にあって都市的でないもの

「下町と山の手」 
  山の手 ~ 新興住宅地の走り
 

 職住一致 職住不一致


 商店街の下町的イメージ
 


□生活感のあるところとないところ
   
 都会には生活臭がない 

「生活感を外に出さない家」に! 



□労働のある結婚生活

 「労働」-「貧しさ」-「生活感」



□商店街は動けない

「シャッター商店街」は「商店街の限界集落」

「町の在り方」を示す顔







◇男の未来と女の未来はどうなの?

□「小太りの女」 

 そこら辺によくいる普通の女



□「美人」という権利 

 美人を権利として考えると不美人はいなくなる  



□それはどういう変わり方か?
   
 権利に目覚めた女達はさっさと美人になる
 


□女は変わることができても男は譲歩しかできない 








◇歴史の未来はどうなの?
 
□支配者が自分の正当性を確認するためのもの







◇TPP後の未来はどうなの?
 
□どうなるかではなくどうするか







◇経済の未来はどうなの?
 
□どこかに大きな錯覚がある

軍備拡大政策にも似て








◇民主主義の未来はどうなの?
 
 世界中が民主主義を肯定する前例のない時代
 

 民主主義はズルをする
 

 王様ばかりが多すぎる
 「しんどくても、あまりあきらめない方がいいですよ」
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コメント 2

mimimomo

おはようございます^^
なかなか難しそうなご本で^^ 
>女は変わることができても男は譲歩しかできない<
これにはちょっと?です(^-^
by mimimomo (2017-04-08 07:13) 

ハマコウ

mimimomoさん ありがとうございます。
「?」になってしまわれるのも、難しそうに感じられるのも、要約がうまくないことからくるもので、実際の本は分かりやすく書かれています。難しいことを易しく書くことができる橋本さんをうらやましく思います。
by ハマコウ (2017-04-09 00:53) 

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