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キーワード 「宿題」 ⑦(最終)「『ゆとり教育』方針転換で戸惑う初等中等教育 」下村 哲夫 [読書記録 教育]

「日本の場合は、いつもお上が先頭に立って、こうしろ、ああしろと指図してきて、今回の
 ように突然方向転換されては、現場としてはやりきれないだろう。」


「お上から改革をしていこうという姿勢がいけないのである。学校現場から変えていかな
ければ駄目なのだ。」


「山形県が全県30人学級にしたように、子供の数は減っているのだから、教師の数を現状
 よりも減らさないようにしておけば、日本全国が20から30人学級になる
 学校を、時間がゆっくり流れるような、のんびりした空気の場所にしたい。
 そういう『ゆとり』の中に何か子供たちが得るものがあるのではないだろうか。」







今回は、10月25日に続いて
キーワード「宿題」で要約してきたものからの紹介 7回目 最終です。


これまでノートにまとめてきたもの、主に20年~30年くらい前にまとめたものを中心に
紹介しています。


今回は、下村哲夫7さんの「『ゆとり教育』方針転換で戸惑う初等中等教育」です。


あれから随分月日がたちました。



文部行政が狙うものは高すぎるのではないかという思いが…。



昨年、正倉院展に行った時の写真を見ていて、思い出しました。
正倉院の少し南側の沢沿いに布目瓦片が落ちていました。
どうしてなのかと想像を楽しみました。
P1020868.JPG
P1020870.JPG


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☆キーワード 「宿題」 ⑦(最終) 「『ゆとり教育』方針転換で戸惑う初等中等教育 」下村 哲夫


「本当の意味でのゆとり、つまり、先生と生徒が授業を離れてものを考えたり、話したりす
 る時間が必要なのだ。」




◇「ゆとり教育」路線からの方針転換

 1977(昭和52)年の1ゆとりと充実」をスローガンに掲げた学習指導要領以来、ゆ
とり教育路線が始まって、およそ20年余り。


 2002(平成14)年度から小・中学校で本格始動となった新学習指導要額(高等学
校では2003年度より実施)は、これまでのゆとり路線の総仕上げで、教育内容も時数
もこれ以上は削りようがないというところまできた。


 ところが、移行期間に入って1年ほど経ってからの学力低下論争。そこで、今年(20
02年)の1月17日、全国都道府県教育委員会連合会で文部科学省は「確かな学力の向
上のための2002アピール『学びのすすめ』」と題し、宿題や補習や家庭学習を積極的
に行い、「確かな学力」の向上を奨励する旨の発表を行った。

 
 これは、「ゆとり教育路線」から「学力向上路線」へという完全な方向転換だろう。そ
の後もこの方向に向かう研究・実践の試みは積極的な拡大を続けている。


 もちろん、打ち上げている新学習指導要領はゆとり教育路線そのままなので、文部科学
省は方向転換ではない、と苦しい言い逃れをしているが、教育現場にとっては青天の霹靂
という感じはないだろうか。




◇学校現場では

 現場の教員の困惑はひとしおではない。


 文部科学省は、「学習指導要領は最低基準」であるといっているのだが、その上限をは
っきり示さないので、まずは、これまでの教科書の削減された部分をコピーして配って勉
強させている。


 また、時数の面でいえば、週2,3時間の総合的な学習の時間を使って補習をし、それ
で足りないものを、朝勉と宿題とで補っている。


 総合的な学習の時間を補習に充てるのはもったいないのだが、恐らくこの路線変更で7
割は補習に使うようになっただろう。

 残りはこれまでの文部科学省の指導に従って、国際理解教育とか体験活動、情報教育な
どに充てるだろうが、当分混乱状況が続くにちがいない。



 ただ、入学試験のことなどを考えると、このまま学力向上路線に戻れば、ほとんどの学
校がその時間を補習時間として英語や算数(数学)、国語などの抜け落ちた学習内容にま
わすしかないのではないか。
 

 日本の場合は、いつもお上が先頭に立って、こうしろ、ああしろと指図してきて、今回
のように突然方向転換されては、現場としてはやりきれないだろう。


 お上から改革をしていこうという姿勢がいけないのである。


 学校現場から変えていかなければ駄目なのだ。





◇相対評価と絶対評価

 新学習指導要領で今年度(2002年度)からこれまでの相対評価から絶対評価に変
わる。

 絶対評価となれば、5段階だったら、みんな3あるいは4をつけ、絶対に1はつけまい。


 となると、入試の際に学校の内申は信用できないといわれる。


 東京私立中学高校協会では、内申書を見ず、共通テストをやって、相対評価で判断す
るといいだした。


 入学試験は競争試験だから、相対評価はやむなしとは思う。しかし、そうすると学力
検査一本やりになり、中学では補習するしかないという流れになってくる。


 入試競争は、少子化でみんなが高校・大学へ行けるようになると、もっと穏やかにな
ると思ったのだが、学校格差が逆に広がってきて、みんなが行くなら1ランクでも上へ
と、かえって競争は激化している。


 都立私立中学校高校協会の提言は、都教委側の激しい反発で一年くり延べになったが、
火種はまだくすぶっている。





◇現実は学校週6日
 週5日制というのは、元来、教育問題ではなく、労働時間の問題なのだ。


 週5日制は学力低下を招くと反対があったが、文部科学省は、授業時数は削らないか
ら学力低下は招かない、とがんばってきた。


 しかし、とうとうそのがんばりがきかなくなって、今年の4月から授業内容の3割減
となった。


 始めから、「授業時数が減るのだから、学校学力は下がる。そのかわり学校ではでき
ないところを家庭や地域のみなさんにお願いしたい」といえばよかったのである。


 結局、文部科学省が週5日制を教育問題として受けとめたこと自体が失敗だろう。


 今、小学枚は、土曜日がなくなったため、週2回6時間授業をやっている。


 あと残りは3日だから、「ゆとり」が生まれるわけがない。


 それに加え、学習指導要領の上限のしばりがとれ、これまでのカリキュラムどおりに
教えておかないいと入試に危ないとなったわけだから、教員の負担は軽くなっていない。


 補習を行う土曜日はサービス出勤だ。


 将来、少子化で入学者の数は減るのだから、それまでどおりの教員を保持していれば、
学校は週6日、先生は週休2日ということもできたはずである。


 実際、地方の負担で少人数学級編制を行う市町村も増えてきた。


 学校生活のゆとり教育や体験活動などに、子供が関心を持ってくれれば、それでいわ
ゆる「学力」もつくのでは、という期待を私は持っているが、今のままでは以前よりも
教師も生徒もきつい。





◇本当の意味でのゆとりを

 今は、子供を育んでなんていない。


 知識や技能の詰込みで、機械工場みたいなものだ。


 かつて、「ゆとり」を「学校裁量の時間」にしてしまったために、「何かしなければ」
と逆に先生方にゆとりがなくて大変になってしまった。


 本当の意味でのゆとり、つまり、先生と生徒が授業を離れてものを考えたり、話したり
する時間が必要なのだ。


 山形県が全県30人学級にしたように、子供の数は減っているのだから、教師の数を現
状よりも減らさないようにしておけば、日本全国が20から30人学級になる。


 学校を、時間がゆっくり流れるような、のんびりした空気の場所にしたい。


 そういう「ゆとり」の中に何か子供たちが得るものがあるのではないだろうか。

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侘び助

布目瓦に思い出が・・・小学校6年の時遠足で信楽に〈70年位前?)
汽車に乗るのも珍しい頃です。朝宮と云う所に行きました。
其処は信楽宮跡(少しの間朝廷が置かれたところ??)
そこで布目瓦を拾いました。素焼きのような色をしていたと思います。
先生になま土の時布で押さえ形を作ったような説明を聞いたような
忘れられないことが、それは信楽の文字をしんらくって何処と聞いて
先生に叱られた思い出、委員の癖にあんな文字も読めんのかって<(_ _)>
今もあの恥ずかしさは、心に残っていますね(^-^)”
by 侘び助 (2017-10-31 11:21) 

ハマコウ

侘び助さん ありがとうございます。

恥ずかしながら私が布目瓦を知ったのは社会人になってからです。
少し重さを感じる瓦、お寺を訪れると屋根に目が行くようになりました。
布目瓦を拾ったことをきっかけに考古学の道に進んだ人も知っています。

子どもの頃叱られたことは忘れませんね。叱り方に気を付けなければと改めて思います。
by ハマコウ (2017-10-31 18:18) 

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