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「宮本常一さん 教育について」 21 「宮本常一の世界 日本民衆の文化と実像」長浜功 明石書店 1995年 (1) [読書記録 教育]


「知識人は口先だけで民衆を語ろうとしているが,宮本の民衆を語る背景には固有名詞を
 持った人々が存在している」


「大切な自分の思い出や体験は軽々しく他人の話すべきものではないし、同様に挫折や失
 敗もまた軽々しく話すべきではないのだ。人は皆,自分だけが演じきれるドラマの主人
 公という芸術家なのである」







今回は10月14日に続いて、
「宮本常一さん 教育について」21回目の紹介です。


今回は長浜功さんの
「宮本常一の世界 日本民衆の文化と実像」1回目の紹介です。





出版社の案内には、

「いくら汲み取ろうとしても容易に汲み取れない奥深く手厚い視点、膨大な資料の集積と
 本質にぴたりと迫る判断。民俗学に多くの業績を遺した宮本常一の人物像を描く。『彷
 徨のまなざし』の続編。」

とあります。




本書により 宮本さんをより詳しく知りました。
長男が生まれた年の出版でした。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「(宮本常一さんとは)民衆を代弁する行動家 4500日の旅 全身民衆のかたまり」


・「日本人は本来話好きではあったが,話し上手のものは少なかった 」


・「豊かな世界で一番大事になる基礎は連帯感を持つことである」 「相みたがい」の思想
- 「自己責任」の言葉が語られるようになってから、この美点が消えつつあるように感
  じます。
  「分断されつつある社会」の言葉にそれを強く感じます。  


・「土佐源氏」
- 長い間人気があります。小説ではないかとも言われていますが、確かに興味深く読む
 ことができます。





長浜さんの受けた「感動」が伝わってくる本です。





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☆「宮本常一さん 教育について」 21


☆「宮本常一の世界 日本民衆の文化と実像」長浜功 明石書店 1995年 (1)

長浜功 著書.jpg

◇民衆の世界

□民衆の一人  

 民衆を代弁する行動家 

 4500日の旅 

 全身民衆のかたまり





□村を支える  

 具体的な民衆


「村の篤農家というような人は米を作るだけでなく村人の良き相談役であった」


 トクノウ=篤農 得農 徳農


「民衆の本当の姿を取り上げるなら,解放同様,同じ比重でこうした目立たない農民の動
 きもとらえてもらいたい」





□無口な人々  

 日本人は本来話好きではあったが,話し上手のものは少なかった


自分の気に入った話しか聞かない

 宮本はおしゃべり上手だが聞き上手
   




□民主主義と連帯感

「面従腹背」の思想   先の戦争


 昔話 - 愚直だが誠実で決して権力に屈しない = 寛容の美徳





□息の長い関係 

「豊かな世界で一番大事になる基礎は連帯感を持つことである」



「相みたがい」の思想
持ちつ持たれつ

民衆同士が持つべき信頼感と連帯感


「貸し借り」の社会
贈与のさらに進んだ形としての貸借

その場ですぐに決着をつけない



「信用」 借りたものはいつかは必ず払う,という考えが定着した社会

     - 同一民族の農耕社会


 時計のない世界
   日の出と日没が区切り
   



□旅と人情  

 逢魔が時 = 昼と夜の交代するときは妖魔の横行するとき  


「妖魔は黄昏の薄明かりの中で人に災いを加えることが多かった」

→「挨拶」で確認





□村のもてなし 

 宮本は民衆の真実の姿を伝えようとした


「本当の村の寄り合い」 対馬千尋藻四ヵ浦
文書許可のため船に乗り丸二日間の寄り合い

= 律儀さ 誠実さ

 







◇民衆の実像

□民衆に無名はいない 

 宮本 - 「無名」扱いされてきた人々への再評価



「無名」の人々にスポット
きちんとした固有名詞で語ろうとしている明白な意見



知識人は口先だけで民衆を語ろうとしているが,宮本の民衆を語る背景には固有
   名詞を持った人々が存在している




□飛島  

 船問屋の女の一生 「離島の旅」(1964第35巻)


 嫁-離縁  小便(子ども)を扱った手で調理 → 評判が落ちる

                   ↓
  
      「地方流し」


・生きとし生きるもの一人一人それぞれの重みのある一生


・大切な自分の思い出や体験は軽々しく他人の話すべきものではないし、同様に挫折や失
 敗もまた軽々しく話すべきではないのだ。人は皆,自分だけが演じきれるドラマの主人
 公という芸術家なのである
  



□漁師の一生 

 船底一枚地獄の先 

 気性激しく大酒喧嘩 

 外国での生活





□土佐源氏  

 女の体験を通じての老人の真実の姿

 檮原村 極道の博労の話

土佐源氏.jpg
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(1)「日本民俗学のエッセンス」瀬川清子・植松明石編 ペリカン社 1979年 ⑧ (2)「ふかいことをおもしろく」②井上ひさし PHP 2011年【再掲載】 [読書記録 民俗]

今回は 10月15日に続いて 瀬川清子さん植松明石さんの編による
「日本民俗学のエッセンス」8回目の紹介です。




出版社の案内には、


「本書は、日本民俗学の研究史上、重要な研究者18人をえらんで、その研究と方法を示
 し、それを中心に、日本民俗学の成立、展開の理解にせまろうとしたものである。」


とあります。




今回は、金田一京助さんについてです。




もう一つ、再掲載記事となりますが、井上ひさしさんの
「ふかいことをおもしろく」②を紹介します。


「日本語」が共通項ですね。





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  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
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(1)「日本民俗学のエッセンス」瀬川清子・植松明石編 ペリカン社 1979年 ⑧

1.JPG

◇金田一京助 その研究と方法  馬場優子

1.学問的経歴

 アイヌ研究者 
   ユーカラ研究を通して → 研究領域の広さと研究者再生産
    


 M15 盛岡生 ~ S16
盛岡中 → 二高 → 東京帝大 博言学科

   上田万年,新村出



 アイヌ語 神保小虎・金沢庄三郎 「アイヌ語会話辞典」M33



 M40 樺太へ 樺太のユーカラ筆録

当時 ○鳥居龍蔵 満州蒙古調査

       ○坪井正五郎・石田収蔵 樺太調査

       ○下斗米秀次郎 樺太探検



 彼の楽天性 
   後援者・師である上田,新村,柳田,渋沢

   学問に対する真摯さ,几帳面さ,慎重さ,計画性,自己規律の強さ    


  「アイヌ叙事詩ユーカラの研究」S6



 S3 46歳で東大助教授 → 国語学へ
 




2.金田一における研究の意味と目的

 「北海道旧土人保護法」M32 アイヌ文化記録保存を主張



 日本人種生成論 
  M20~大正初年  坪井正五郎 対 小金井良精

  アイヌコロボックル論争

  アイヌ伝統文化の重要性
 





3.アイヌ研究への貢献

 ①ユーカラの体系化

散文 → 叙事詩 - 韻文

 神々のユーカラ(神謡)

 英雄のユーカラ(英雄叙事詩)-狭義

 ユーカラ体詩曲(メノコ・ユーカラ)

   神謡 → 聖伝 → 英雄叙事詩



 ②アイヌ語文法構造の解明

知里幸恵とワカルパの娘ユキ  北米大陸とのつながり



 ③地名研究 チェンバレンM20 

  金田一「北奥地名考」アイヌ名の日本語化






4.金田一における方法論上の特色

 金田一の関心 - 口頭伝承



 科学的地名研究



 帰納法・実感の科学










(2)「ふかいことをおもしろく」②井上ひさし PHP 2011年【再掲載】

1.gif

◇文学との出会い

読んでいる間はげらげら笑って一日ぐらいホッとするような、そういう小説を絶対に書
きたい 


進路変更  
   岩手医大、弘前医大を落ちる → 物書きになる決心





◇浅草フランス座へ

親がかりはもうやめにして、自分の力でとにかく生きていく


浅草フランス座文芸員募集に応募
応募者200名中、課題をやってきたのは4人
二人が採用(井上ひさしと林真理子の伯父) 


 フランス座芸人 長門勇、佐山俊二、関敬六、谷幹一、渥美清
基本給は3000円+一本のコントに500円





◇懸賞応募からプロの道へ

自信はなかったけれど、とにかく書くのが楽しかった


ラジオドラマに応募 
   ライバルは藤本義一


 芸術祭脚本奨励賞 「うかうか30ちょろちょろ40」



NHKラジオからの声 専属ライター 教育部門担当





◇僕の創作術

初日の幕が開いて、お客さんが拍手して、「いい芝居でした」「感動しました」「笑いま
した」と言ってくれるのが何よりの報酬





◇劇作の喜び

見る人が目の前にいるのが一番厳しくおもしろい


 芝居は船を造る過程に似ている      
どんなに早く仕上げても沈む船だと意味がない

→ 大切なのは、お客さんが乗ったらすごく快適な状況になっているように導くこと





◇笑いとは何か

笑いとは人間が作るしかないもの 
 それはひとりではできない 
 人と関わってお互いに共有しないと 意味がないものでもある


笑いは共同作業
   - みんなで分かち合う

すると辛さや悲しみが消えてしまう





◇文字が持つ力

明日命が終わるにしても今日やることはある


本を読むこととビジュアル化して見てしまうことを比べると、想像力が全く違います。
本は漠然としては読めません。集中が必要です。僕は、そうして今も、本を読み続けてい
ます。




◇変化する言葉

自分が使いこなせる言葉でものを考えることが大切


舞台の言葉は大和言葉で書かないとダメだ!
   大切なのは自分が使いこなせる言葉でものを考えること   





◇日本語

「それ、分かりませんので教えてください」と無知の振りをして聞き返せばよい。やっぱ
り無知が一番賢いのです  


横文字を無反省に使っていると考えると非常に曖昧になってくる
分からない横文字は聞き返せばよい! 日本語を使う





◇デジタルの時代に

手が記憶する 記憶した手で新しいことを作っていく


 本は人類がたどり着いた最高の装置の一つ
  「あの戦争って何だったのかな。いったいだれが得をしたんだろう」  





◇100年後の皆さんへ 僕からのメッセージ

百年後の皆さん、お元気ですか?
この100年間の間に戦争はあったでしょうか?
それから地球が駄目になるのではなく
地球の上で暮らしている人間が
駄目になっていないでしょうか?

僕達の世代は、それなりに
一所懸命に頑張ってきたつもりですし
  これからも頑張るつもりです 

できたら100年後の皆さんに
とてもいい地球をお渡しできるように
100年前の我々も 必死で頑張ります
どうぞお幸せに


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