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(1)「母親に語る『しつけ』の精神分析」小此木啓吾 金子書房 1998年 ② (2)東井義雄さんの言葉 ③【再掲載 2011.9】 [読書記録 教育]

「今日数学の答案を返していただきました。私の予想したよりは良い点,60点と点が付
 いていました。よく見ると間違っているのが丸になっています。それでよい点が付いて
 いたのです。私はどうしようかと思いました。だって先生に言えば60点としても良い
 点ではないのに,それからまた20点も引かれてしまいます。60点から20点を引か
 れることは私にとってとてもつらいことです。
 でも,私は思いきって先生に言いました。先生は『本当にそうだね。』とおっしゃって
 40点と直して下さいました。そして、『正直だね。』とおっしゃいました。私はパッ
 と赤くなるのを感じました。だって私は,随分このまま黙っていようかしらんと思って
 いたんですもの。
 しかし,もうちょっとで20点ではない私の汚点を,私の人生に付けてしまうところで
 した。お父様お母様のおかげで,間違いをおこさないですみました。きっと喜んでくだ
 さると思います。」










今回は、8月2日に続いて、小此木啓吾さんの、
「母親に語る『しつけ』の精神分析」の紹介2回目です。


「モラトリアム人間」の言葉で知られる小此木啓吾さんの「しつけ」に関する本です。
ぜひ、多くの保護者に読んでいただきたい本です。



出版社の案内には、

「子どものしつけは、親子関係が大切だ。その関係がくい違うと、様々な問題が起きてく
 る。幼児期・児童期のケースをもとに、対応法をわかりやすくアドバイスする。」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「子ども集団そのものが作り上げられないのではないかが今問われている」


・「先取り型の母親 几帳面で潔癖 - 正義の旗を振りかざす」


・「先取り型の母親との間で 自発性を発揮する機会を失ってしまう」


・「要求水準の高い親  ~ 『どうやったってケチをつけられるんだ』」



もう一つ、再掲載となりますが「東井義雄の言葉③」を載せます。
教育者・東井義雄さんの気持ちが伝わってきます。
時々読み直して新鮮な気持ちをもてるようにしています。

輝雄君の詩、素直な子どもの気持ちが分かり、ほっとします。




浜松出身の女性講談師・田辺一邑さんの第11回独演会が8月18日(日)14時より、
浜松駅近くの浜松市地域情報センターホールで開かれます。
今回の演目は「青山士」他一席です。ゲストもいらっしゃいます。

青山士(あおやま あきら)さんは、静岡県磐田市生まれの土木技術者。
パナマ運河建設に関わった方として、知られる方だそうです。
不勉強なわたしは失礼ながら存じ上げませんでした。
楽しみです。

詳しいことは以下のサイトをご参照ください。
※浜松市文化振興財団のサイト
https://www.hcf.or.jp/calendar/detail.php?id=23106








<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。

浜松ジオラマファクトリー







(1)「母親に語る『しつけ』の精神分析」小此木啓吾 金子書房 1998年 ②

1.jpg

◇集団になじめない子ども

 子ども集団が怖いA君  
   半分大人 → 子ども集団にとけ込めない


 
 父親と一体の「大人子ども」 ひとりっこ
無邪気でやや野蛮でいろいろな衝動をむき出しにしてぶつけ合う
 - そういう子ども同士の世界を持つことなしに頭の中だけ大人になってしまっている

   = 大検コース者に多い


「子ども集団そのものが作り上げられないのではないかが今問われている」



 ひとりっ子の分離不安をどう乗り越えるか
  同じ仲間二人組 
     お互いにお母さんボーイとしてかかわる = 二人連れ
   母親への同一化


 末っ子E子はF子姉さんの助けで言いなりにならなければならない面

 




◇だらしない子の親子関係

 「だらしがない」
    きちんとしていない 
    しまりがない
    しっかりしていない
    意気地がない



 心がすぐお留守になるE君 自分一人の世界
現実世界を支えているのは母親 - 片づけ・世話 母親との依存関係
  一人遊びのように見えていつも心の中では母親が一緒 
- 母親離れをしていない


 受け身攻撃型のB君
先取り型の母親 几帳面で潔癖 - 正義の旗を振りかざす

グッドイナフ(ほぼよい)

反抗するか従順になるかどちらか



 肝心なときにポカをするD君
脅かす父親 
   - 父親の怒りや失跡によって心に傷ができている - 恐怖心
 




◇指示待ちの子のコンプレックス

 先取り型の母親との間で 
   自発性を発揮する機会を失ってしまう



 母親の完全主義にはついていけない
要求水準の高い親
    ~ 「どうやったってケチをつけられるんだ」



 自信のない心細いC子
気分屋の母親
    ~ 母親の顔色を見る
「安全な基地」になれない



 自発性を高めるには
① ニーズを作ること

  ② 子どもらしい夢や思いこみや無邪気な願望を支える

 




◇「疲れた」の心理

 すぐに「疲れた」を連発する子ども
心理的な疲れを肉体的に疲れたものを誤解する母親



 サナトリウム家族の母と子 
   病気予備軍として扱われるうちに



 心理的な疲れが起こる原因
① 教室で過度に緊張不安

   ② 先生が好きか嫌いかも左右



 子どもたちにもある燃え尽き症候群
  バーンアウト ~ バーナウト・シンドローム



 一応体の点検も
    急に言い出した場合


 
 過度なスケジュールから来る疲れ
















(2)東井義雄さんの言葉 ③【再掲載 2011.9】

◇思いやりの心が育つとき

□「すまない」と思う心を育てた母の顔
 
「ほめ方叱り方そんなテクニックなんか追っかけないで,子どもの何をこそ喜んで、何を
 こそ悲しんで涙するかをお考え下さい。」




□思いやりの心が芽をふくとき

「ヤンチャ者の子どもも,普段の元気さを失ったお母さんに触れると,優しくならずには
 いられなくなる」




□心が心を育てる  輝雄君(六年生)

けさ 学校に来がけに

母と 言い争いをした。

母をぼろくそに言い負かしてやった。

母が困っていた。


そしたら学校で,昼になって

母の入れてくれた弁当のふたを開けたら

ぼくの好きなかつおぶしが

パラパラと ふりかけてあった。

おいしそうに 匂っていた。


それを見たら

ぼくはけさのことが思い出されて

 後悔した。


母は今ごろ

さみしい心で昼ご飯を食べているんだろうか

と思うと

すまない心が

ぐいぐい

こみ上げてきた。









◇父親が輝いてこそ子が輝く

□お父さんが尊敬されるわけ

 大学入試に失敗してショックを受けている娘に

お父さんの出番

「恵おめでとう。いくらお金を積んでも,いくら望んでも得られない,尊い勉強をさせて
 いただいたね。お父さんはね,失敗したときこれはきっと仏様が,お父さんの一番の問
 題点を涙ながらに教えてくださっているのだと信じて,失敗を大切にしてきた。そして,
 この失敗のおかげでと言えるようになるまで頑張ってきた。恵,いくらお金を積んでも,
 いくら望んでも得られない,このたびの失敗,どうか一生涯大切にするんだよ。それと
 一緒に…。それと一緒に…自分が得意の絶頂に立ったとき,どこかに泣いている人があ
 るということの考えられる人間になっておくれ。」



 すばらしいお父さんを持った感激で,失敗のショックなんか吹き飛んでしまった。








◇吹雪の晩に運んだ勉強

□問題行動少年更正施設園長

「ここに送られてくる少年の家庭のほとんどは離婚家庭である。少数ですが,両親がそろ
 っていながらここへ送られてくる少年の家庭の100%はかかあ天下の家庭で父親がバ
 カにされている。」



「非行少年の家庭では必ずと言ってもいいくらい、母親が子どもに父親の悪口を話して聞
 かせている。」

 


□俊二君

 警備員で昼夜勤の仕事を持つ父を恥じている



母が悲しむ  
  → ある猛吹雪の晩,徹夜勤務のお父さんに温かい弁当を届けることを言いつけた

           ↓

会社の問に付いたとき吹雪の中を雪だるまのように雪にまみれて懐中電灯をともして見
回りから帰ってくるお父さんとばったり会った。

           ↑

 自分が恥ずかしくなった
  弁当運び・父と話


「吹雪の中の父に負けてはならぬとぼくは勉強を続けた。」





□「お父様お母様のおかげ」

寄宿高校生からの手紙

「今日数学の答案を返していただきました。私の予想したよりは良い点,60点と点が付
 いていました。よく見ると間違っているのが丸になっています。それでよい点が付いて
 いたのです。私はどうしようかと思いました。だって先生に言えば60点としても良い
 点ではないのに,それからまた20点も引かれてしまいます。60点から20点を引か
 れることは私にとってとてもつらいことです。
 でも,私は思いきって先生に言いました。先生は『本当にそうだね。』とおっしゃって
 40点と直して下さいました。そして、『正直だね。』とおっしゃいました。私はパッ
 と赤くなるのを感じました。だって私は,随分このまま黙っていようかしらんと思って
 いたんですもの。
 しかし,もうちょっとで20点ではない私の汚点を,私の人生に付けてしまうところで
 した。お父様お母様のおかげで,間違いをおこさないですみました。きっと喜んでくだ
 さると思います。」



100点より嬉しい手紙
ただ一度の自分の人生を自分で汚すようなバカにはなるまい。








◇子どもの胸で生きる親

□父さんの存在を子どもに届ける

「勤労感謝の日」前 
  お母さんと子どもの職場参観

  お父さんは子どもにお母さんの存在の輝きを届ける工夫。

 お母さんは子どもにお父さんの輝きを届ける。




□生死を越えて生き続けるお母さん

「ぼくの胸の中に」生き続けるお母さん



復元力
   船が転覆しそうになったとき元の姿勢に戻す。








◇テストの点数よりも
  
  八木雄次郎「通信簿」

我が子よ

通信簿に記載された評価が思わしくないからと

涙を流すことはやめよ。

父は信じている。


  おまえはこれまで

一円の金もごまかしたことがなかったことを。

友達との約束はいつも果たしてきたことを。 


  そして 幼いものをかわいがり

よわいものをかたわってきたことを

その潔白と信義と親切とは

人間として生きていくための至上なものだ。


それなのに

おまえの通信簿のどこに

そのことが記載されているというのだ

我が子よ

涙を流すことは やめよ

おまえの父と母とが目指している

  もっともっと大きな通信簿に向かって

歩いていこうではないか。



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